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物 語
令和のカリスマモデル・野々宮椿。
雑誌やドラマ、CMなど、多忙な日々を送りながら、
彼女は次第に「自分が何者なのか」を見失いかけていた。
――ある皆既月食の夜。
ドラマの撮影で訪れたテレビ局の倉庫で、椿は古びた映写機を見つける。
赤銅色の月光を浴びた瞬間、それはひとりでに動き出し…
気が付けば、椿は大正11年の銀座通りにタイムスリップしていた。
路面電車が行き交い、
和洋折衷の建物が並ぶ華やかな街並み。
ざわめきの中、ピアノの音色に誘われて
辿り着いたのは、ハイカラな内装と酒と生演奏が
楽しめる社交場「ジャズ倶楽部・ルージュ」。
そこで彼女は、若き天才ピアニスト・沢田 泪、
妖艶で自由奔放な倶楽部の主人・マリィ、
そして、駆け出しの小説家・東条 澄人と出会う。
彼らと過ごす日々は、
椿に「この時代に残りたい」と願わせるほど、大切なものとなっていく。
帰りたい。――でも、帰りたくない。
二つの時代が再び交わる夜、椿が見つける答えとは――。

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